市川中車

177「あけましておめでとうございます。正月話題を。樂家十五代樂吉左衛門&歌舞伎」

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あけましておめでとうございます。正月話題を。樂家十五代樂吉左衛門&歌舞伎

コラムンも今日から開始です、
本年もよろしくお付き合いの程
お願い申し上げます。

正月らしい話題を散文的に・・・

正月二日は
自分として恒例に成りつつある
箱根駅伝の応援に横浜駅近辺へ出かけた。
早朝8時過ぎ、通過にはまだ時間があり
黄色のジャケットを着たボランティアの高校や大学の学生も集まりだしたぐらい。
その団体から同じ言葉が多く発せられている。
「アケオメ」「あけおめ」「あけオメ」・・・・
で、
「コトヨロ」「ことよろ」「コトヨロ」・・・・・
いくら私にだって、直ぐに何をわめいているのかわかった。
・・・・でもねえ、言語が進化、変化することを止めようなどとは思わないけれど
新年早々の祝いの挨拶を、そりゃないんじゃない?
この人たちのおじいさんが、喜寿になってお祝いする時に
「じいちゃん、キ!オメ!!」
で、この人たちの成人式には
「レイナちゃん(こんな名前がきっと多い)!
せ、オメ、今日から、せ、だから
さ、もタ、もOKOK、まじーー?」
なんてなるんだろうね、マジで。

ここからは年末このコラムンでも書いた
「世襲」に関する続きになりそうな新年のTV番組の話。

3日、NHKの「プロフェッショナル」という番組で
400年以上続く樂焼の、樂家十五代樂吉左衛門が
取り上げられていた。
400年以上の間に継承だけではなく革新し今にいたる匠の技。
いつもと同じように最後に番組から
「プロフェッショナルとは?」の問いに
「そんな特別の隔たりはありません。
プロフェッショナルなんていませんわ!そんなものなんていません!」
私、この言葉にすっきりしましたわ、いやあ本当。
http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0103/index.html

で、片や
昨日(6日)のNHKスペシャル。
歌舞伎の市川中車(香川照之)と
実父市川猿翁(先代市川猿之助)との間での
父子の継承を巡る壮絶な物語を追っていた。
年末にも書いたが
中車にはまだまだ、合格点はあげられるはずも無く。
にしても番組で知ったのだが
新春公演では何と、新人の中車に
あの石川五右衛門の大役を与えて演じさせたと。
それも、猿翁の特別な推挙があってだと。
結果(すみません、TVモニター上での観劇になりますが)
前回演じた海老蔵の同じ舞台が流れた後だったので
とどうしても比べてしまい、可哀想ではあったが・・・
今はともかく、香川は時間をかけずに必ず大成してくれると信じて・・・
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0106/
もしこの番組の最後に
「プロフェッショナルとは?」と二人が問われたとしたら、
猿翁はどう答えただろう、
中車はどう答えただろうか、想像した。
たぶん私は
猿翁の答えに樂吉左衛門の時のような心地よさは感じないだろうな、
中車の答えにはエールを送っただろうなと。

最後に
他力本願と自力本願について。
(このこと前にも書いたことあったっけ?)
この二つの言葉とも正式に宗教上の考えで
それぞれ意義のあること。
特に前者はけっして侮られる内容の言葉ではないと聞いたことがある。
要は普段の功徳を通して
他人の力でもって本願を遂げる
自分の力で本願を遂げる
どちらも同じように尊い教えだということらしい。
世襲ということをこの言葉に当ててみると
世襲とは正に他力本願で、
その地位を自分のものに出来るかどうかは
自力本願なのではないかな。
十五代樂吉左衛門にとっては傍からプロと見られようがそうでなかろうが
他力と自力の中心をまっとうすることにまい進しているんだから、
あの最後の言葉になったのだろう。
私は感動した。
とにもかくにも重要なのは「普段の功徳」と。

と、新年に思うこと。
先き行く方々の人の姿を追いつつ
少しでも精進していければと。
本年もよろしくお願いいたします。

PS
・・・この時期「福袋」ってあるじゃないですか、
あれ私は好きではありません。
同じく「宝くじ」とか「おみくじ」とかも。
だって私は何もしていないもん。


今回の一言:
大向かいから発せられる掛け声の
「おもだかや!」とか「なりこまや!」が
そのうち
「オモ、ピー!」とか「ナリナリー!」
なんて日が来ないことを祈っています。




176「市川中車、市川団十郎、市川海老蔵、二代目中村扇雀(四代目坂田藤十郎)、中村勘三郎、森光子」

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市川中車、市川団十郎、市川海老蔵、二代目中村扇雀(四代目坂田藤十郎)、中村勘三郎、森光子

たぶん、
今年最後のブログになると思います。
で、正月が近いので日本の芸能にふれちゃいます。

芸の世界独特な「世襲」
この風習って私はどうにも理解の範囲を超えています。
芸の世界に限らず
日本は特にこの風習を好きな人が多いですよね、
政治でもビジネスのシーンでも。
まっ、後者はどうでもよいですが
芸の世界の世襲に関して、今年、すごくその意味の重さを感じたことがありました。
昨年、既に名優の域に達しているといっても過言ではない香川 照之が
名跡「市川中車」の当代、九代目 市川 中車を襲名し、今年歌舞伎の舞台に登場した。
とまでは良いのだが
今年の新橋演舞場、歌舞伎「将軍江戸を去る」。
出演は市川団十郎、市川海老蔵、それに中車。
歌舞伎は素人なので、何を今更、といわれそうですが
二人と中車の格の違いに唖然ですわ。
詳細は略しますが、名優であるはずの中車はただただ肩に力が入って怒鳴りながらの台詞に対し
団十郎は言うまでも無く、海老蔵、顔で、仕草で演技している、
台詞が口を出る前から既に演技となって成立している・・・
見るまでは、心の中で
(子供の頃から世襲、世襲とやんや、やんやとされてきた、海老蔵なんて蹴散らしてしまえ!香川!)
とどっかりと構えてみていたら、
ありゃ?ありゃりゃ??中車、いきがるな、ありゃ?ありゃ?海老蔵、うまい、ぐやじいい、
団十郎、すごすぎる、だはだはだは・・・・、てなこってした。
世襲のすごさを、好き嫌いではなく、その存在を肌で感じてしまったわけです。
まあ、中車はこれからきっと、この遅れを取り戻してくれると信じています。

誰かが言ってたけれど
世襲って少なくともハリウッドには無い、と。
そうだよね、二代目ゲーリークーパーとか3代目ジェームスギャグニーなんて聞いたことないし
10年後に二代目トムクルーズが出てきたら変だ、時々@@2世てなのはあるけどね。
自立、独自性などと対して平均、規律等を重んじる国民性の違いかな。
そうそう随分前ですが、
二代目中村扇雀(四代目坂田藤十郎:注扇千影、元参議院銀議長のだんな)
に隠し子が居たことが発覚した時大きな騒ぎになったけれど
皆知らないんだな、と私は思いました。
そもそも、世襲とは単に生まれてきた子供に家名を継がせるのではなく
付き合いのある芸者衆とかに子種を宿し、正妻だけではなく
生まれてくる子供の中からもっとも優秀な子供に継がせるというしきたりなんだ。
だから扇雀の時、何をおおさわぎしてんのかねぇ、と思った。
まっ、そういうわけで
日本における世襲は、世相というか、かつてのしきたりと打って変わってきているけれど
でも、やはり歌舞伎など、脈々といきづいているものなんだなと、
・・・好き嫌いは別として・・・実感したしだいであります。

それが、今年私が感じた日本の芸能のトピックスでした。

また今年は多くの方が亡くなりました。
特に
勘三郎が亡くなった亡くなったと
あちらこちらのメディアで
これでもかという感じで取り上げられていた。
しかも多くの知的常識人達がこぞって話題にしていた。
すごかったんだろうなぁ・・・と予想します。
森光子の時も、それ以上だったかな。
森さんといえば
「日本のお母さん」みたいに書かれているけれど
素の顔をする人は、けっしてその意見に与しないようだ。
評論家の矢野誠一がそのとき書いていたけれど
舞台に向かう姿勢は鬼気として、全てをなげうって、全てをそこに集中させる
言い換えると、一個人としてはとても付き合いにくい人物だったようだ。
第一級の芸人ってけっしてはたでみているようには
「良い人」ではないことが多いよね、海老蔵くん。

せっかくなので
芸能に関して書かれた
内容の濃い本を紹介。

役者の三国連太郎の著書
【「芸能と差別」の深層―三国連太郎・沖浦和光対談 (ちくま文庫) [文庫] 】
この本、がつんときますよ。
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E8%8A%B8%E8%83%BD%E3%81%A8%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%B7%B1%E5%B1%A4%E2%80%95%E4%B8%89%E5%9B%BD%E9%80%A3%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%83%BB%E6%B2%96%E6%B5%A6%E5%92%8C%E5%85%89%E5%AF%BE%E8%AB%87-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%89%E5%9B%BD-%E9%80%A3%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4480420894/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1356490898&sr=1-1

今回の一言:
だって、政治家の世襲は・・・まっいいかそんなこと。
リンゴの息子、ジョージの息子、ジョンの息子
クリントイーストウッドの息子、ジョンボーナムの息子
みんな頑張ってる。

プロフィール

ビバップ犬

CS音楽専門チャンネル、ミュージック・エア(スカパーch.271/スカパーe2 ch.326/全国のケーブルTVで放送中)を立ち上げた張本犬。音楽は主にジャズが好きでドラムも叩ける、と自負する、ゴールデンレトリーバー。オヤジ世代の代表として、上質な音楽を紹介します。

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