コラムン31:一番のエンターティンメントはコミュニケーションだ。ツタヤT-SITEをめぐる冒険

「一番のエンターティンメントはコミュニケーションだ」
しばらく前に僕にそんなことを言った方がいた。
そお、携帯電話関連の方との討論で
衛星放送ビジネス側の僕とやり取りをしたときのことだ。

放送は勿論、映画とかスポーツとか所謂コンテンツを軸にした
エンターテインメントといわれるものの種類はたくさんあるが
実はエンタメとはそうしたコンテンツサイドの面からだけではなく
コミュニケーションという側面からの検証もあってしかりかというのが
その方の意見だった。
親しい同士、それも親しければ親しいほどの仲においての
コミュニケーションがどんなものにもまして最高、
人と人とのやり取りこそ最高の楽しみである、
ということである。
ちょっと硬い言い方をすると
これこそ放送と通信とのせめぎあいといえるけれど
しかしこの意見、まったく持ってそうそのとおり。

でだ、先日のリアルのコラムンでも書いたように
それがだんだん危険水域になりつつある。
しかし、でもでも、まだまだ主流は人と人との
「生のコミュニケーション」であるとしたいし
そうあることを願う。

でだ。
今回はそんなことを感じさせる体験談話。
僕は・・・これも前のコラムンにも書いたが・・・
ツタヤが新しくオープンさせた
「代官山T-SITE」に再度行った。
http://tsite.jp/daikanyama/about/

もう本当にいろいろと感心させられるのだが
そのひとつに「コンシェルジュ」というサービスがある。
各種それぞれ専門の担当が日々のデスクワークを店舗の中心で行っていて
そのデスクがそのまま売り場に面している。
なので、それこそ専門の方に直接質問ができるのだ。
どこかの安売りチェーン店みたいに
「イラシャイマセー」「こちら減塩ブタのトンカツ大盛りでよかったですね?」
と、何語だかわからん言語だとか
「はい、レシートお返しします。この福袋、ドレシング別になりますがよろしかったですか?」
と、所有権不明な応答とかを
つばをバシバシ飛ばしながらわめいてなんかいない。
その人たちは「コンシェルジュ」と呼ばれていて
本当に専門的なことを良く知っていて、懇切丁寧に答えてくれる。
これだよ、これなら僕は2500円のCDが5000円でも買っちゃう・・・かな・・・。
で、先日前々から探していたCDがみつかったんだ。
少々深い内容になるが
僕が学生のころによく聴いていたアルバム/LP、
覚えていた事はカウント・ベーシーのどこかでのライブで
レーベルはパブロ、ジャケットのデザインも覚えていて
その情報でCD化されているだろうと
アマゾンの輸入とか色々と調べてもわからずじまい。
先日このコンシェルジュにその旨を聞いたら即答、
「これではありませんかお客様」と、1977年モントルージャズフェスでのライブ版を。
でもジャケットデザインが違う。
で、これまた深い深い質問
「ドラムはブッチ・マイルスですか?」
「はい、お客様、そうです。このアルバムは確かにCD化されたときにジャケットがこのようなものに変わって
おりますが
お客様が探しお求めなのは間違いなくこちらでございます」と。

涙・・・・


見つけられたことがもちろんうれしかったのですが
この一連のやり取りのおかげで
この人とコミュニケーションすることで
僕自身、自分の記憶、思い出を総動員して
自分の中のコンテンツまでも楽しむことが出来たんだと。
そのあとも色々と話題に盛り上がりましたです、ありがとう。

これがコンシェルジュだんだな。

今日の一言:
40年前、
レコード屋には必ず物知りで悲観的なお兄さんがいた。
その隣にあった質屋のウィンドーには必ずフォークギターがあった。
必ず血豆ができても決してFは押さえられなかった。

PS
今日はネタ的にJAZZ
ミュージック・エアのJAZZ番組なら
「人生で一度は聴かなきゃいけないJAZZ」
ニーナ・シモンが登場
ライヴ・イン・オランダ1965、イギリス1968
1月18日(水)22:00~
自分の中のコンテンツに浸っておくんなさいませ
http://www.musicair.co.jp/special2/?id=182