2012年04月

コラムン96:世良公則さん『日経新聞/ものづくりの師』

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コラムン96:世良公則さん『日経新聞/ものづくりの師』

今回はミュージック・エアがらみのお話、お許しを。
土曜(14日)の日経新聞・最終面の
「交遊妙」に
世良公則さんの『ものづくりの師』が
掲載された。
交遊相手は加藤亮太郎氏。
世良さんより年下の陶芸家で、
父が美濃部焼き幸兵衛窯
7代加藤幸兵衛氏、
祖父が人間国宝加藤卓男氏
という人物だ。
ミュージック・エアでは
世良さんが各地の窯元を訪ね
陶芸家とのトークとライブ番組を制作し放送している。
美濃部焼の様子は
当方のHPには無いので(すみません)
当地のケーブルテレビ・アナのブログに紹介されているので記します。
2012.03.12/加納 「世良公則さん×美濃焼」をご覧ください。
http://www.oribe-net.co.jp/page.jsp?id=24092
で、?どうして?音楽チャンネルで?
・・・
きっかけは二年ぐらい前
世良さんのライブを放送する打ち合わせをしていた当方の制作が
最近陶芸、作陶に陶酔していているとの話を聞いたことからだ。
「んじゃあ、陶芸とアコースティックライブ、
新プロジェクト、
世良公則セラミック・ライブ始動」
と成ったわけです。
物を作る、そうした真摯な姿勢は
陶芸にも音楽にも合い通じるとこがあり
そうした交流、会話、を通して
そしてお互いの作品を通してこそ
生まれてくる真実を番組に出来たらなと
始めたわけです。
まだチャレンジの段階ですが
既に
多治見、唐津、砥部、砺波、瀬戸、と開催してきており
次は既に萩などが予定として上がっている。
各地では、時には人間国宝の方も喜んでご出演いただき
世良さんともども楽しい時間を過ごさせていただいている、
とのことです。

尚、先日お話した
柳ジョージさん最後のライブ
函館の公演も
同様のシリーズで
柳さんが司馬遼太郎さん縁の地を訪ね、ライブを行う
ドキュメンタリー「酔って候・ライブ」だった
(酔って候とは司馬さんの作品のタイトルでもあり、
そこから引用された柳さんのヒット曲名でもある)、
こちらは残念ながら最初の函館だけしか実現しなかった・・・・。

記事の締めくくり、世良さんの言葉、
「どんな名陶も生活の場にあってこそ。
そんな彼の姿勢は、みんなが口ずさめるロックが
あってもいいじゃない、と考えていた私の20代の頃と重なる」

今日の一言:
そう、
柳宋悦氏の「民藝」運動もこの言葉からだった。

ミュージック・エア情報:
近々上記のセラミック・ライブはシリーズで放送します。

コラムン95:セザンヌ展に行ってきた&アール・ブリュット

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コラムン95:セザンヌ展に行ってきた&アール・ブリュット

おととい、知人に明日僕がセザンヌ展に行くことを話したことをきっかけに、
実はその知人も絵が好きでよく美術館に行くということが判明した
(この知人がまた素晴らしい人で、本当僕は周りの人々にに恵まれています。
それはひとえに自分の無さを補填してくれる神のなせる業かと・・・)。
で、そうなるとだんだん盛り上がってきて
僕「それでは00展行きましたか?」
知「はい」
僕「それでは@@展行きましたか?」
知「はい」
で、だんだんトリビア的になってきて
最後の隠し玉、まさか行っていないだろう、実態も知らないだろうとの僕の策
僕「アールブリュット展はまさか行ってないですよね、そもそも知ってますか、ファファファ」
知「あーーあれね、もちろん行きましたよ、ファファファ」
僕「・・・・・まさかフヒフヒフヒ・・・・」
このやり取りを横で見ていたもう一人がポカンとしつつ
知人の表情を見ていて「まさに、これぞドヤ顔してますよ」と。
で、せっかくだから今日の本題ではないのですが
アールブリュットについて少しだけ触れておきます、
こんな機会でないと書くこともないと思うので。
画家のジャン・デュビュッフェが1945年に考案した芸術カテゴリーで
正規の美術教育を受けていない人が
既存の芸術の法則にとらわれることなく作り出した絵画やオブジェのこと。
けっして断定的ではないが、精神を病んだ人たちによる芸術が多く、
治療に活用される傾向からも、結果的にそのようなジャンルの芸術に捕らえられることも多い。
まっ、単純にはいえないが彼らの作品は
いろいろな点で常軌を逸していて凄い、凄すぎるの一言に尽きる。
スイスにその本部はあるが、近年日本でもその動きが盛んになり、
一昨年には日本人のアーティストたちが本場で作品展を行い
その凄さに衝撃的な評価を、反応を受けたと。
参考までにそのURLを。
http://www.art-brut.jp/
そして私たちの間で同意見だったのが・・・
モーツアルトもゴッホもアインシュタインも、アーティストたちや偉人の多くが
なんらかの奇異な面を持っている、
言い換えるとだからこそあのような飛びぬけた作品、発想が思いつくのだと。
ただその奇異さはあくまでも「際」でとどまりそこから作品として表現されているんじゃないかと。
だが、対してこのアール・ブリュットのアーティストたちは、
あっち側へ飛び越していってしまっていて、
作品という範疇を飛び越してしまっていて、
そもそも作品制作という目的で作られていないので、
私たちには見る、鑑賞の対象としては辛過ぎるものだと。

と、毎度のことで前書きが長くなってしまったので、本題を簡単に。
セザンヌ展
http://cezanne.exhn.jp/
「今までにない規模の」ということで確かに規模は大きかった。
欲を言えば、規模の割には
静物画とサント・ヴィクトワール山では
もうひとつ視点、時間、的アプローチを堪能できる出品が多いと良いのになと。
と言いつつともかく「良かったです、はい」
で、記したいポイントを一つだけ、それは彼の肖像画に関して。
基本肖像画と言うのは本来依頼を受け、
その人の身分や肩書きを表す役割をするものであって、
加えてその人物の心理描写も描き出すもの。
言い方を変えると、
依頼主がいかにすばらしい肩書きだったか、人物だったかを
キャンバスの上に残すことを目的としていた。
だが
「セザンヌの描く肖像画は、人物の装飾はもちろん、
心理描写も廃して周囲との造形的調和を極めた作品にした」(解説より)、
とあった、そのとおりだった。

今日の一言:
肩書きとかが好きではない僕には
セザンヌの描く肖像画は好きだ。

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コラムン94:用語の解説

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コラムン94:用語の解説

昨日例として書いた用語に関して
意味を教えて欲しいという申し出があったので
説明の日にします、今日は。

「ソーシャル・ビジネス」
環境・貧困などの社会的課題の解決を図るための取り組みを
持続可能な事業として展開すること。
「イノベーター」そのまま、革新者。
「ビジネス・セクター、ソーシャル・セクター」
セクターがそのまま地域、分野、部門なので
前者は通常のビジネス活動をさし、
後者が社会的課題の解決を図るための活動をさす。
「アントレプレナー・インターンシップ」
アントレプレナーが起業家なのでその元で行う
インターンシップ(学生が在学中に行う就業体験)のこと。
「プロボノ」
各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして
社会貢献するボランティア活動全般。また、それに参加する専門家自身。
「インキュベーション事業」
インキュベーターの意味は本来孵化器。
新しい事業を立ち上げようとするベンチャーなどを技術的、資金的にサポートし、
そのベンチャー企業が利益を上げ始めたら、
投資した額の割合で、資金回収して利益を確保する事業。
「アウトリーチ」
本来は、手を伸ばすことを意味する。
福祉などの分野における地域社会への奉仕活動、
公共機関の現場出張サービスなどの意味で多用される。

ここからは余談の用語解説
「デーハー、デージュウゲーぐらいの娘」
派手な25歳ぐらいの娘」ジャズ界から来た用語。
「夜なのに、おはようございます、元気そうなのに、お疲れ様」
そのままの意味、たぶん水商売から来た用語。
「5Kあたりを4デシ上げ」
5キロへルツの音を4デシレベル上げる意味のそのままの用語。
「2フレ飛んでる」
2フレーム無くなっているの意味。
動画は本来1フレームごとの静止画での連続で
1秒当たり30フレームとかで構成される(メディアによって数は前後するが)、
それが30枚のうち2枚飛んでいると映像が飛ぶ(カクル)。

今日の一言:
1や2フレ映像が飛んでも素人は気が付かないことが多い。
でも、音は同じぐらいの飛びでもまず気が付く。
実は人間の感覚は音のほうが鋭いんだ。


コラムン93:NPOってNGOって?

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コラムン93:NPOってNGOって?

怒涛の1日に2話のコラムン集中攻撃の週が
どうにかこうにか完了しそうだ。
お付き合いいただきありがとうございます。

今日の2話目、
で、NPO、NGOだんだ?
最近こうした活動に顔を突っ込み始めているが
その前段階で思うところがある。
こうした活動は深く、簡単に語れるものではないので
今後、随時書いていきたいと思うが
今回は最初なので、素朴な疑問、というか質問で終わらせてもらう。

「用語」
皆さん、
ソーシャル・ビジネス、イノベーター、
ビジネス・セクター、ソーシャル・セクター、
アントレプレナーインターンシップ、
プロボノ、インキュベーション事業、
アウトリーチ、
これらの用語、お分かりになりますか?
最近参加しだした中でごく普通にやり取りされている
その場ではほぼ常識化した慣用句なのです。
で、正直僕は、
一つ二つはなんとなく知っているつもりの言葉もありますが
ほとんどチンプンカンプンです(でした)。
僕の無知が根本的原因であることは間違いないのですが・・・。
 話は変わって、
天邪鬼の僕は、どの業界に属していても、
いわゆるその業界特有の業界用語というのはまず使いません。
デーハー、デージュウゲーぐらいの娘とか(古い)
夜なのに、おはようございます、元気そうなのに、お疲れ様、とか
言わない。
勿論正式な専門用語
例えば、5Kあたりを4デシ上げて、とか
2フレ飛んでるよね、とかは使うが
(おーープロッポイ、と自画自賛する奴はダメ、あっ、俺か・・・)。
 で、何だったっけ・・・そうだ話しを戻す、
そのNPO、NGO関係の用語の話だ。
僕の無知が根本的原因であることは間違いないのだが、
わからないままで良いのだろうか、勿論本人が学ぶべきだとは思うが、
なんだか突っかかりがある、そう、一般的でないからか。
いわゆる業界用語でこそはないが、どちらかと言うと専門用語?
というか、学会用語じゃないかなと思うからなのか。
この点を問題としてというか、前向きな意味で指摘だけしておきたい。

話は少し変わる。
任意団体が自分の意向(思い)で、利益追求ではない、
ある何かの社会的(貢献性のある?)活動をする、
それってNPOじゃないのか・・・
例えば先日の大学生の「代々木ジャズ・フェスティバル」も
自分たちで謳ってはいないがNPOと言えばNPOだし、
僕が大学生のときにやっていた大学プロデュース連盟も
今思うとNPOといえばNPOだ。
だからなんだと言うことではなく、そんな経験から思うことも多い。
そして今、色々なNPO、NGO活動を知り、出会い始めている。
間違いなくそれらは素晴らしい活動だ。
僕は、素人の目でこれから参加させてもらい
用語のこともそうだが、素朴な疑問を提示したりもしていきたいなと、
で、より身近なものとして、話していくことが出来ればと思うんだ。
今回はここまで。

今日の一言:
自己紹介するとき
田中さんは「私は田中です」とは言うが
「私は鈴木ではありません」とは言わない。
だからこれからのNPOもそうあるのではないかな、と
ある講演で聞いた、同感。


ミュージック・エア情報:
「代々木ジャズフェスティバル2012」
当日のライブの模様をダイジェストで!
14(土)17:45~ #1(再) 、15(日) 24:45~#2
おーーー君が出てる!!かも。
http://www.musicair.co.jp/timet/index.php?rm=detail&id=143894

PS
今週末は100まで足りないので営業します。
これこそ自転車操業っていうんだよね。

コラムン92:「恋に落ちて」その前夜

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コラムン92:「恋に落ちて」その前夜

前に「ルビーの指輪」その後を書いたので、
今回はこれ。

娘がカラオケに行った。
休日の昼間中学の友達と行く。
僕はカラオケにはまったく行かないので
よくわかってないが
昼間は千円程度で
時間制限なくて飲み物もアイスクリームも食べ放題らしい。
で、聞くところによると、
最近は昭和の歌を歌っているらしい。
フィンガー5の学園天国とか
キョンキョンの曲とか、山口百恵のとか
いわゆるニューミュージックの曲とか。
最近ミュージックステーションなどで
昭和歌謡の映像がよく流れるようで
どうもブームらしい。
で、小林明子の「恋に落ちて」を友人が歌った。
♪ダイヤル回して手を止めたー♪
のところで皆でダイヤルって何じゃ?回すって何じゃ?
となったと。
ま、友人と話してなんとはなくわかったようだが、
帰宅後改めて娘から質問された。
そんじゃあと、皆が揃う、夕食の場で説明した。
かつて使われていたダイヤル式電話機の事を。
そして話しながら、この曲にまつわる事も思い出したので、
続いて家族に話した、今回はその話。

 これまた僕がレコード会社時代の時。
ある日先輩のディレクターがニコニコしつつ、
汗かきながら熱っぽく
「おいおい、このデモテープ聞いて」
と話しかけてきた。
それは一本のカセツトで
聞いてみるとカーペンターズのカバーが数曲と
それに似たオリジナル曲が数曲
録音されていた。
驚いた、いや、本当に、
そこに録音されていたのはまさに
カレン・カーペンターの声なんだ。
音作りも兄のリチャード特有のアレンジで。
でも名前を見るとそこには
「小林明子」となんだか古風な名前が・・・。
先輩は「ねっ!凄いでしょ!」
で、彼はこのまだ良くわからない新人を使って
カーペンターズのカバー作品を作ろうと考えていたらしい、
いわゆる企画物だ。
で、凄い凄いと騒いでいた僕たちのところに、
黒ふちメガネの上司がやって来て
「すごい、この子、単なるカレンの物まねではなく、
このオリジナル曲どう思う?」と。
確かにリチャードの作風を真似てはいるが
曲そのものの力量がある、
逆にカーペンターズ風にしているから
本来ある作曲の能力が隠れているというのかな。
で、急遽、彼女に何か曲を書いてもらい
レコーディングしてその真を問うてみよう、
ということになり
僕がその時に制作してたアーティストのアルバムに
彼女に急遽依頼して1曲入れることにした。
これが彼女の作曲家としてのデビューと
レコーディング初挑戦だった。
それから間もなく、先輩の制作、
彼女の曲、そして湯川れいこさんの詞による
「恋に落ちて」が作られ、大ヒットするわけだ。
その後、僕が業界から離れてからの話だが
カレンを亡くしたリチャードのプロデュースで
彼女はアルバムを出したはずだ。

で、この話を聞くとはなしに聞き終わった娘と息子が
「『回る』で思い出したぞ!
いつ回転寿司に連れて行ってくれるんだ!」
そう、僕はカラオケは勿論行かないし
寿司だって回転しているのが許せなくて
当家の子供たちは今まで生まれこのかた、
回転寿司に行った事がない。
で、そのうちそのうち、と先延ばしに伸ばしてたんだが、
今回は寝た子を起こしてしまった。
今週末行くことになった。

今日の一歌:
♪イクラを回して手を止めたぁぁー♪
I'm Just in SUSHI・・それは高いんだ~♪

PS
ここに登場する上司と先輩ディレクターは
前に書いた、僕が尊敬する
プロデユーサーとディレクターその人です。

ミュージック・エア情報:
イエスが来日する。
15日(日)は来日記念
「シンフォニック・ライヴ」13時半~
始めライブの3連発!!!
プログレファンは物好きと言われてもいい、
そうなんだから・・・僕は違うけれど。
http://www.musicair.co.jp/recommend/?id=570
プロフィール

ビバップ犬

CS音楽専門チャンネル、ミュージック・エア(スカパーch.271/スカパーe2 ch.326/全国のケーブルTVで放送中)を立ち上げた張本犬。音楽は主にジャズが好きでドラムも叩ける、と自負する、ゴールデンレトリーバー。オヤジ世代の代表として、上質な音楽を紹介します。

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