2012年01月

コラムン35:時流ネタ、東大・秋入学とカラマーゾフの兄弟

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コラムン35:時流ネタ、東大・秋入学とカラマーゾフの兄弟

【東大:秋入学に移行へ「国際化」加速求める中間報告がが出された】
とのニュースがあった。
改革は良いものだし
やってみなければわからないのなら
やるべきだと思う。
大切なのはダメだった場合に確実にもとに戻せる
ルールを作っておくことが
もっとも大事であることは当然だ。
ただちょっとちょっかい意見を出すと
この報告に関してよい面に対しての意見で
「秋入学のデメリットについても、
入試から卒業までの期間延長に伴う家計負担の増大、
就職の遅れ、官公庁や企業の人材確保の困難などを挙げた」
とある。
この指摘の一つ、家計負担に少し・・・
というのは今の東大の学生たちの実家で
これぐらいの期間延長に伴う家計増大が
問題視される家庭がどれだけ存在するか
はなはだ疑問だ。
確か一年前に見た
「マイケル・サンデルの白熱教室」関係で知った意見だったと
記憶しているが、
最近のデータでは東大生を送り出している家庭の年収が
1000万円を超えているのが80%以上とか・・・。
その数字をもとに
東大はもはや裕福な家庭の子達が
小さいころから、
受験対策に金銭的な対策を施される子でこそ
いくことの出来る大学であると、の意見もあった。

勿論、
東大に行く子供は優秀で
そこに何の疑問もない、
自宅が裕福だろうとそうでなかろうと。
前述の数字だって100%の話ではないのだし、
中には自宅が金銭的に苦しくそのような中でも
バイトとか奨学金を得てとかして
必死に頑張って入ってくる子達もいるかもしれない。
「頑張れ!頑張ったね、良かったね」と応援したい。
ともかくどんな環境であろうと
最高を目指し達成できるということ
すごいことであり、あたりまえのごとく敬服する。

 まあこの論点から少し目線を変えて・・・。
同じ国立大学の「東京外語大学」
学長の亀山郁夫氏が
この秋入学に関して自学のあり方を語っている内容が
素敵だ。
「秋入学の大きな狙いは(自大学への)受け入れだが、
うちにとって大切なのは送り出しだ。
・・・中略・・・
(外国の大学への)留学のしやすさは
今の4月入学のままでも変わらず、
秋入学を導入する必要性は感じていない。
 受け入れのほうは
9月から始まるプログラムを順次準備している。
(ただしそこで)求められているのは日本語教育で、
数多く受け入れることを目指してはいない。
日本文化を発信できる
質の高い日本語教育者として活躍できるよう
育てる責任を強く感じている」
と。
素敵じゃありませんか、
学府自体の特性が違うことが根本にあるので
比べるべきことではありません。
にしても素敵、さすがあの難解なドストエフスキーを
僕みたいな未熟なものにも咀嚼して与えてくれた翻訳者、文学者!

外語大では
ラオス語もベンガル語も専攻できるんだって。

今日の一言:
そんじゃあブータン語を話せれば
幸せになれるかな、と思って調べたらあった。
ゾンカ語というらしい。

PS
今日はミュージック・エア番組宣伝ではなくて
書籍の話。
映像連動のこれ
評判になってると。
http://www.atoss.jp/archives/6834


コラムン34:最近出会った良い言葉

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コラムン34:最近出会った良い言葉

たまには天声人語みたいなのもよいか・・・

養老孟司:
「この道一筋」の意味を履き違えている人が多い。
これは職人さんを讃えるものではなくて、
「この道」を讃えるものなのです。
「あんな地道な仕事を、よくも一生やっていられるなあ。
あの仕事は地味に見えるけれど、
きっと人間が一生をかけてやるだけの価値がある仕事なんだなあ」と。

高橋源一郎:
最近、政治家の問題発言がよく指摘されているが
その中には(勿論論外の問題発言もあるが)、
失言というよりも問題提起しているものもある。
「問題発言」ではなく「問題提起発言」もある。

池澤夏樹:
昔の日本では、
一人前の大人がしなければならないことが
二つあった。
「かせぎ」と「つとめ」。
・・中略・・  
ここ何年か、日本だけでなく世界全体が
「かせぎ」に傾いた。
そちらが行き詰った今は
「つとめ」を取り戻すべき時ではないのか。

後藤田正晴(発言自体は古いが最近読んだ):
次の世代を考えるのが政治家、
次の選挙を考えるのは政治屋だ。

藤原和博:
次の新しい山を作るために、
研究でも、本当にやりたかった仕事でも
1万時間ほどの練習が基準になると思っています。
1日3時間くらい確保できればざっと10年、6時間なら5年、
これで「一流にはなれなくても二流のトップ」にはなれます。
・・・中略・・・
一山だけの富士山型の人生から、
奥行きのある山々が連なる八ヶ岳型の人生へ、
踏み出すときにきているのではないでしょうか。


よし、今日は素直だ。

今日の一言:
昨日「AKB」を知らないであきれられた相手に
今日「R&B」って何?と聞かれた。
「立ち飲み屋、立食バーの略だよ」と言っておいた、
ってやんでぃ。


PS
ミュージック・エア
20日(金)は
「ポップ・ミュイージック・歴史秘話」
10話目
「リズム&ブルース」
最近、何でもかんでも♭5を多用したJポップが横行しているが
是非、この番組を見てほしい、「何で」かがわかる、ルーツがわかる。
http://www.musicair.co.jp/timet/index.php?rm=detail&id=139240



コラムン33:「荻須高徳、東山魁夷とAKB48」かくなるうえは「壁と卵」か

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コラムン33:「荻須高徳、東山魁夷とAKB48」かくなるうえは「壁と卵」か

日本橋の三越で開催されている
「荻須高徳生誕110周年展」
行ってきました。
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/oguiss/

なんだかこのような行動を書き始めると
君は年齢的にいくつなんだ、と聞かれそうですが
まあ絵は好きなんですね、お許しあれ。

荻須の描くパリの街の壁や路地裏に、まさにその上に浮き出ている
生命の息づかいのようなものに前々から惹かれるものがありました。
そして今回自分としては初めてまとまった作品展に行ったわけです。
作品評は私のようなものが今更どうのこうのと
のたまうのはやぼっていうもんですので一言だけ。
パリの作品でも戦前の若い時の高徳の作品が僕は好きです。
で、展覧会に添えられていた高徳の言葉に
今回もっとも動かされるものがありました。
戦前、渡仏した当時は画壇は
抽象画に非ずは絵画に非ずぐらいの風潮が流れていた。
その中で彼は自分の作風を確立した。
「私はパリ、ヨーロッパで絵画の道を左右そう気を使わずに進んできた。
具象、抽象入り乱れてそういう激動する画壇にたって
新しいものに目移りすると自己を見失う危険があった・・・中略
若い人へ。
時流に敏感な反応も良い。それ以上に時流に流されない
自分の道を見出すことが大切かと」

日を置いて今度は山種美術館へ。
館が所有するベストの展示を
前後2回に分けて行っているので
その後編、戦前戦後編に勇んでいってきました。
実は山種美術館って僕にとってはなんだか
株バブルの成金が大枚はたいて集めました見たいな感があって
今までは引いていたんですが
今回はベスト展ということなのでそこをこらえて・・・
結果、正解正解大正解。
「山種美術館ザ・ベスト・オブ山種コレクション展」
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
洋画は前述の萩須高徳の作品、憧れの佐伯祐三
パチパチパチ(拍手)。
我が永遠の恋人、東山魁夷
三作品:
壁画の「満ちる潮」
秋景の至高美「秋彩」
そして
川端康成の『今京都を描いておいて下さい』との言による「年暮る」
圧巻は速水御舟の「炎舞」
岩橋英遠は知りませんでしたが「瑛」、出会いでした。

以上。

今回ちょっとまじめすぎますね。
そんじゃあ・・・
唐突に・・・これを書くとまたまたウッソ!と思われそうですが、
AKB48の「AKB」って何のことだか知ってました?
「秋葉原」のことなんですってね、先週末知りました。
えっ?そういうオジサンあなただって今知ったんでしょ、無理しない無理しない。
で、教えてくれた人があきれていたので、
悔しいからオヤジのたわ言を言ってやった。

今日の一言:
That's学、
秋葉原とは元々の地名の読みは
アキハバラではなくアキバハラだったんだ。
だからだんだんだ?

PS
なんで秋葉原の話になったか?
ミュージック・エア
「Gacharic Spinの音楽探Q」
毎週(土)17:45~18:00
21日(土)も楽しい音楽実験だよ。
http://www.musicair.co.jp/special2/?id=394

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コラムン32:体育高校、アイデンティティーのあり方と教育の形

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コラムン32:体育高校、アイデンティティーのあり方と教育の形

今日は内容が辛口なので
添付写真で癒されてください。
昨日フィンランド展で買ったんだ、
ムーミンのキャンドル・ホルダー、オレって女性趣味かな・・・

さて地元横浜ネタ。
新年に催される一連の高校体育大会が一段楽したところなので書きます。

友人の息子さん性格も素直、出来もよい子で
昨年国立大学に現役で入って教師になる希望をもって盛んに勉学に励んでいる。
当家の息子とは同学年、子供のころからの友人でまさに竹馬の友といった仲。
その彼が息子のところへ新年ということで久々に遊びに当家に来た。
高校は地元の超進学校の私学高校に進学、
この私学は東大進学数だけでなく運動も全国トップクラス。
僕は彼がラグビー部に所属をしていたのを知っていたので
「高校時代ラグビー部だったんでしょ、すごいねえ、全国大会とかも行ったんじゃない?」
とラグビーが好きなので何気なく話しかけたら
友人「いいえ、あの全国大会に行く部とは違うんです」
私「そおかあ、二軍とかあるんだね、強いところは」
友人「いえ、違うんです、あの学園には学校が二つあるんです!」
ここから先、要約して書きます、
真実はどうだか確認したわけではありませんが
彼は正直な子なのでその言葉をそのまま信じて記します。
要は、その学園には高校が二つあり、それは完全に分かれている別の学校で
一つは進学専門の高校
もう一つは体育の各大会に進む要員を、入試試験なしで確保したそれ専門の生徒たちがいる学校。
先の方はそれこそ東大目指して勉勉勉
もうひとつのほうは、
彼が言うには「定期テストでは、極端の話、名前を書くだけで進学、
卒業は校則さえ守ればできる」学校だそうだ。
でも学校名は外部の者にはほとんど違いのわからないクローンのような名前。
地元の僕ですら知らなかったんだから・・・
でもこれって少し???じゃない。
だったらしっかりと一つは00高校で、
もう一つは00体育高校と名づけるべきじゃないのかな。
僕はこのような体育専門の高校のあり方をどうこう指摘しているのではありません。
私学であればビジネス(文科省から補助金もらってるから純粋にビジネスとは言いがたい点はあるが)、
集客人寄せパンダも必要でしょうし
また、理事長、学長の教育方針が文武分割両道というのもそうしたければそれでよいでしょう。
そこに行かせたい親がいればそれはそれでよいでしょう、
他人がどうこう言うことではありません。
しかし今一度考えてみたい。
学歴などのあり方、本当の意味での勉学の重要性が問われている今日この頃
改めて自身の人間性、コミュニケーション力が増しても重要視される昨今
どうどうと自分を名乗ろうよ。
子供にこそ自分のアイデンティティーを語らせられるような道に進んでもらおうよ。
と言いたいだけなんです。

藤原和博が書いている。
抜粋:
「かつての成長社会は必ず一つの正解があると信じられ、
そういう教育を小中高、大学受験と叩き込まれてきた。
このような時代では自動的に記憶力がよく頭の回転が早い人が優秀なやつだといっており
受験や就職で勝ち抜いてきたのはこの能力だった。
20代、30代の人たちを取り巻く親や先生は、
このような高度成長期の幸福を信じている世代。
彼らの(悪しき)影響は未だに現役の就職人気企業ランキングにも顕著に現れている
・・・中略・・・
「成長社会」ではなく「成熟社会」
大震災で「釜石の奇跡」と言われた避難の形
(ともかくてんでんに一人ひとりが自分の考えで自分の命を救った行動)、
これにたいして
今でも全国一律に行われているみんな一緒に順番に避難、
これはまさに正解を追う社会。
成長社会では一律でよいかもしれないが
しかし成熟社会の今、それは自分で納得できる道を追うことなんだと。
ゆえに
このような上の世代から間違った価値観、
自分の体験からきているこり固まった価値観、
それを引き継ぐことの間違いと危険とを指摘」
彼はこのように警鐘を鳴らしている。

別の事実ですが
この高校、当家からは歩いていけるぐらいの地元柄
進学する子が町内会及びその周辺によくいます。
その中には学校の考え方があまりにも?であることを
入学してから親ではなく「本人が」知って
途中でいいかげん嫌になって止めて転校する子も多いのは事実ですよ。

尚、内容が少しきついですが
この情報と私の理解に間違いがある場合はご容赦ください。


今日の一言:
「うどん県」だとぉ、
そんじゃあこちとら横浜人
「ジャン県」だ。

PS
ミュージック・エア
やっぱり僕たちはコレかな
オリジナル・ライブ:ライブ・ラボ
「青山純Super Sessions 」
1月22日(日)深夜0:00~
ドラマー・青純だぞ、今剛、伊藤広規、んもーーたまりません
http://www.musicair.co.jp/timet/index.php?rm=detail&id=140120

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コラムン31:一番のエンターティンメントはコミュニケーションだ。ツタヤT-SITEをめぐる冒険

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コラムン31:一番のエンターティンメントはコミュニケーションだ。ツタヤT-SITEをめぐる冒険

「一番のエンターティンメントはコミュニケーションだ」
しばらく前に僕にそんなことを言った方がいた。
そお、携帯電話関連の方との討論で
衛星放送ビジネス側の僕とやり取りをしたときのことだ。

放送は勿論、映画とかスポーツとか所謂コンテンツを軸にした
エンターテインメントといわれるものの種類はたくさんあるが
実はエンタメとはそうしたコンテンツサイドの面からだけではなく
コミュニケーションという側面からの検証もあってしかりかというのが
その方の意見だった。
親しい同士、それも親しければ親しいほどの仲においての
コミュニケーションがどんなものにもまして最高、
人と人とのやり取りこそ最高の楽しみである、
ということである。
ちょっと硬い言い方をすると
これこそ放送と通信とのせめぎあいといえるけれど
しかしこの意見、まったく持ってそうそのとおり。

でだ、先日のリアルのコラムンでも書いたように
それがだんだん危険水域になりつつある。
しかし、でもでも、まだまだ主流は人と人との
「生のコミュニケーション」であるとしたいし
そうあることを願う。

でだ。
今回はそんなことを感じさせる体験談話。
僕は・・・これも前のコラムンにも書いたが・・・
ツタヤが新しくオープンさせた
「代官山T-SITE」に再度行った。
http://tsite.jp/daikanyama/about/

もう本当にいろいろと感心させられるのだが
そのひとつに「コンシェルジュ」というサービスがある。
各種それぞれ専門の担当が日々のデスクワークを店舗の中心で行っていて
そのデスクがそのまま売り場に面している。
なので、それこそ専門の方に直接質問ができるのだ。
どこかの安売りチェーン店みたいに
「イラシャイマセー」「こちら減塩ブタのトンカツ大盛りでよかったですね?」
と、何語だかわからん言語だとか
「はい、レシートお返しします。この福袋、ドレシング別になりますがよろしかったですか?」
と、所有権不明な応答とかを
つばをバシバシ飛ばしながらわめいてなんかいない。
その人たちは「コンシェルジュ」と呼ばれていて
本当に専門的なことを良く知っていて、懇切丁寧に答えてくれる。
これだよ、これなら僕は2500円のCDが5000円でも買っちゃう・・・かな・・・。
で、先日前々から探していたCDがみつかったんだ。
少々深い内容になるが
僕が学生のころによく聴いていたアルバム/LP、
覚えていた事はカウント・ベーシーのどこかでのライブで
レーベルはパブロ、ジャケットのデザインも覚えていて
その情報でCD化されているだろうと
アマゾンの輸入とか色々と調べてもわからずじまい。
先日このコンシェルジュにその旨を聞いたら即答、
「これではありませんかお客様」と、1977年モントルージャズフェスでのライブ版を。
でもジャケットデザインが違う。
で、これまた深い深い質問
「ドラムはブッチ・マイルスですか?」
「はい、お客様、そうです。このアルバムは確かにCD化されたときにジャケットがこのようなものに変わって
おりますが
お客様が探しお求めなのは間違いなくこちらでございます」と。

涙・・・・


見つけられたことがもちろんうれしかったのですが
この一連のやり取りのおかげで
この人とコミュニケーションすることで
僕自身、自分の記憶、思い出を総動員して
自分の中のコンテンツまでも楽しむことが出来たんだと。
そのあとも色々と話題に盛り上がりましたです、ありがとう。

これがコンシェルジュだんだな。

今日の一言:
40年前、
レコード屋には必ず物知りで悲観的なお兄さんがいた。
その隣にあった質屋のウィンドーには必ずフォークギターがあった。
必ず血豆ができても決してFは押さえられなかった。

PS
今日はネタ的にJAZZ
ミュージック・エアのJAZZ番組なら
「人生で一度は聴かなきゃいけないJAZZ」
ニーナ・シモンが登場
ライヴ・イン・オランダ1965、イギリス1968
1月18日(水)22:00~
自分の中のコンテンツに浸っておくんなさいませ
http://www.musicair.co.jp/special2/?id=182
プロフィール

ビバップ犬

CS音楽専門チャンネル、ミュージック・エア(スカパーch.271/スカパーe2 ch.326/全国のケーブルTVで放送中)を立ち上げた張本犬。音楽は主にジャズが好きでドラムも叩ける、と自負する、ゴールデンレトリーバー。オヤジ世代の代表として、上質な音楽を紹介します。

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