235「青春と芸術:正倉院展&日本の名随筆:青春(椎名誠編集)」

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青春と芸術:正倉院展&日本の名随筆:青春(椎名誠編集)

仰々しいタイトルでありますが
話の筋はある。

先日のNHK日曜美術館で
奈良国立博物館学芸部長の西山厚さんが
開催中の「正倉院展」のコメンテーターで出演していた。
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2013/1103/index.html
この方は毎年この時期に開催される正倉院展に合わせて出演されているが
毎回、本当に愛情と自信にあふれたコメントをされるので、大好きだ。
今回、その中の発言で
日本の芸術史上において、この天平時代と近年の明治時代が
もっとも日本という国が国家を上げて芸術を育て発展させた誠に羨ましい時代である。
さらに、天平の時代はまさに日本の芸術にとって「青春時代」である。
青春時代とは本人がそれと自覚しなく、また苦難と錯誤が繰り返されて育っていく
素晴らしい時代なんだ、と。
そうした人としての青春時代を比喩にして
誠に的確な表現をされていた。

そんな素晴らしい発言に出会って、(そういえば本棚にまだ読んでいない青春の本があったな)と
この連休、天気も雨がちだったので、改めて探し出して読んだ。
「青春 (日本の名随筆) :椎名 誠 (編集)」
http://www.amazon.co.jp/%E9%9D%92%E6%98%A5-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%90%8D%E9%9A%8F%E7%AD%86-%E6%A4%8E%E5%90%8D-%E8%AA%A0/dp/4878938609/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1383632229&sr=1-1&keywords=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%90%8D%E9%9A%8F%E7%AD%86%EF%BC%8D%E5%88%A5%E5%B7%BB40

この本は、20年ぐらい前の物だが
椎名誠が編者になって、2,30人ぐらいの著名な作家の記した青春に関するエッセイをまとめている。
筒井康隆、山下洋輔、東海林さだお、沢木耕太郎等々。
すべて素晴らしい青春談義ではあったが、特に素晴らしかったのは
野田知佑の記した一文だった。
野田は若き頃、北欧を旅した、そこで、出会う北欧の大人との会話から・・・
これからどうするのか?どういう大人になりたいのか?という内容の話になって
北欧のその大人は「今からそんなことは決めなくてよい、青春時代に選択肢を狭めてどうするのか。
今は、わからないままに、一つでも多くの経験、仕事でも勉強でも、その経験から導き出された道が
君の進め来道だ」という内容のことを語られる。
野田の書くこの内容は、まさに青春の時代のあるべき指針ではないのかなと、納得してしまった。

ということで話は戻るが
天平の時代、青春時代、芸術とは何か、どうあるべきか、などと決めつけるのではなく
がむしゃらに経験し突き進み学び、そこから作られた素晴らしい芸術が
正倉院に保存されているという事。

さあ、明後日見に行くぞ!!!


今回の一言:
ルーブル美術館は入場料無料の対象に『失業者、生活保護受給者』があると知った。
「美は余裕のある人たちのためだけにあるものではない。
困難にある人ほど、文化を通して苦しい境遇以外のことに思いをはせる時間が必要だ」
ということだと。




234「文化勲章?芸と芸術」

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文化勲章?芸と芸術

先日文化勲章の発表があった。
関係する話題を二つ。

文化勲章に何で役者が選ばれるのだろう。
本当に毎回思うのだが、何でだ?
別に今回受賞した高倉健さんが素晴らしい役者ではないという事ではない、
本当に素晴らしい役者であることは疑いない事だろう。
しかし、それとこれとは別で前々から疑問に思うのは役者の受賞だんだ。
そもそも辞書に「文化勲章」とは
「学問・芸術など文化の向上・発展に多大な貢献をなした人に授与される勲章」
とある。
この解で行くと
優れた「芸術」であり決して「芸」を指しているのではないと思うんだよね。
芸と芸術を混同するような文化社会であってよいのかなと。
まあ、私みたいな小人がどうこう言う事ではないけれどね。
前にもコラムンで少しふれたが
大橋巨泉が一昔前の番組「こんなモノいらない」で
第一回目に取り上げたのが勲章この主張、大いに賛成。
・・・因みに二回目がNHKだったと思う・・・。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A8%E6%B3%89%E3%81%AE%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84!%3F

二つ目は
今回素晴らしい書家、高木聖鶴氏も受賞した。
その書の世界の話で
一日おいた今朝の朝日新聞で
「『天の声』で入選差し替え 日展書道、事前配分」
http://www.asahi.com/articles/TKY201310300010.html?ref=com_top_pickup
日展に関して書家の選出には不正があるというブラックな内容の記事だ。
文化勲章受賞にも関係しているという。
残念でならない、書は真の芸術であると思うからこそ。
・・・
こうしたことが正されるよう
この機に
公的なというかほぼ公的と言ってよい権威ある賞の選考委員は
改選回数を制限するとか、定年制を設けるなどした方がよいと思います。
渡辺淳一なんて何年直木賞の選考委員続けてるんでしょう・・・
先日も80歳のお祝いに銀座の「文壇バー」の女将を集めてパーテーやったようで、懲りないですな。
直木賞、今回選考委員に新任した高村薫さんと東野圭吾さん・・・両氏とも私は大ファンだ・・・
に大いに改善を期待する次第であります!

今回の一言:
大橋巨泉はB型だ。


233「サラボーン・ピーター・ガン (Peter Gunn) 」

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サラボーン・ピーター・ガン (Peter Gunn)

久しぶりに音楽の話。
先日ラジオからえらくファンキーでかっこよい曲が聞こえてきた。
声はサラボーンなんだけれど
音色というか、リズムというか、ともかくかっこよい、新しい。
で、曲終わりにDJのコメントが
サラボーンの歌でピーター・ガン (Peter Gunn)のテーマだという。

早速調べたら
これはどうもNYのクラブ・シーンで
活躍するトップDJたちがリミックスしたシリーズだとわかった。
http://www.youtube.com/watch?v=Kf17nKtllWM

MAX SEDGLEYhttp://www.irmagroup.jp/irma_artist/maxsedgley
は、ドラムンベースにジャズの要素を取り込んだ
RONI SIZEというグループ(http://www.clubberia.com/ja/artists/561-Roni-Size/
のドラマーだそうだ。

そこで
こんなことがどうしてできるのだろう?
音作りの技術的なこともそうだが
それ以前に
音源の著作権、正確に言うと著作隣接権はクリアしているのか?
簡単に言うと
数十年前に録音されたサラボーンの音源をどのように権利クリアして
リミックスしているのか、とても気になった。
素人の中には
市販の音源を勝手にリミックスしている人も多いようだが
それを個人で楽しむのは良いが、販売したりすれば法に触れる。
で、このシリーズは老舗のレーベル
“ヴァーヴ音源の中から選りすぐりの楽曲をNYのクラブ・シーンで
活躍するトップDJたちがリミックスしたシリーズなので
確かに音源を保有するレーベル、ヴァーヴに許可を得て行っているという事だろう。

次に技術的な事だが
当時の音源をリミックスするにしても
ミックス前のトラック別のテープなど残っているはずもなく
いや
そもそも、サラボーンのこの時代マルチトラックで録音ではなく
ステレオ2チャンネル、事によっては、モノラルだった可能性もある。
なので、リミックスはできるはずがない。
これも知人に聞いたところこうした場合は
元の音源の生かしたい音域(例えばサラのヴォーカル)をUPし
他をDownさせてその音の上に
無理やり新しいリズムとかを乗せて作るようだ。
まあ、これは原音を作ったクリエーターには失礼な話だが
このように生き返るとなると、一概にも言えない。
それにしてもかっこよい!

http://goo.gl/t45TnV


今回の一言:
サラ・ボーン
原音がよいから、
若者たちよ、どうとでも調理されよ

プロフィール

ビバップ犬

CS音楽専門チャンネル、ミュージック・エア(スカパーch.271/スカパーe2 ch.326/全国のケーブルTVで放送中)を立ち上げた張本犬。音楽は主にジャズが好きでドラムも叩ける、と自負する、ゴールデンレトリーバー。オヤジ世代の代表として、上質な音楽を紹介します。

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