天野祐吉

218「五輪に便乗?」

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五輪に便乗?

今朝の朝日新聞にJOCが五輪便乗商法を厳しく規制するという記事があった。
中にはスーパーの売り場で「やったぞ!東京」と書いただけの看板に
NGを突き付けている、という事例を読んでいきすぎじゃないかとも思った。
同じ日の天野祐吉のコラムに
「・・・地球村の運動会を若い人たちが楽しむのは大いに結構だが、
いいトシした大人が、やれ経済効果がどうの株がどうのと、
カネの話ばかりに夢中になっているのは野暮だし、みっともない」
この意見もどうかなと思った。
五輪効果で経済が活発になるというのは
まあ、どちらかというと来た方がよいのではないかと思っていた私
・・・勘違いしないでね、五輪は素晴らしい祭典だと当然思っている。
でもその場所が東京かどうかという部分で、どちらかというとと思っているという事・・・
にはもっとも重要なポイントと考える。


勿論「タダ乗り」はよくないが
「便乗」っていうことは要するに社会現象をビジネスに取り込むという事であり
それはマーケティングの原点ではないのかな。
「野暮は嫌だよ」といえば聞こえは良いが、生きるという事はかっこ悪い事なんだよ、キリギリス君、
じゃなかった、天野さん。

経済効果、五輪特需・・・
リニア中央新幹線開業を東京五輪に間に合わせる、
成田と羽田を直接結ぶ新鉄道などなど
色々な構想が現実味を帯びて語られてきている。
また、前回の時の反省で、日本橋の上を通る首都高速を地下化し、
お江戸日本橋の風景を復活させる、
これは本当に現実化してほしい。

放送、音楽の世界では・・・
オリンピック放送と言えば放送権料。
日本の放送関係がIOCに支払った放送権料は
10年バンクーバー、12年ロンドンの冬夏で325億円
14年ソチ、16年リオで360億円
どんどん上がっている。
NHKのソチ・オリンピック放送のテーマ曲を「コブクロ」が担当するとも同日発表された。
・・・・??
ここで疑問が頭をもたげてきた。
NHKは放送権料を払ったいるのでオリンピックを表明する、表記するのは当然OKだが
その放送のテーマ曲になった場合はどうなんだろう。
コブクロ自体、レーベルがその曲が入っているCDに「NHKソチ・オリンピック放送テーマ応援ソング」
と表記できるのだろうか?
仮に表記できなくとも、NHKの放送では「放送テーマ曲、コブクロの000」と連呼されるわけで
そのCDが市場で売られるわけで、これって便乗商法でしょ?
いけないの?うーーむ、これって難しい。
更に
例えばマクドナルドが公式スポンサーになって、そのCMで誰かの曲を使ったとしよう。
そのCMの中で「マクドナルドはオリンピックを応援します」とナレーションが入り
「歌@@」と表記され、何度も何度もメディアで流れるわけだよね。
これが便乗と言わずして、何が便乗なんだ?
良いじゃありませんか。

That's学:
五輪五輪と書いていて
オリンピックを五輪という日本語で表現したのは凄いことだなと感心したので調べてみたところ・・・
戦前、読売新聞の記者だった川本信正(1907~96年)の発案だったことが分かった。
オリンピック報道に携わり、
他には
32年のロサンゼルス五輪陸上男子の吉岡隆徳選手を「暁の超特急」と名付けたり
戦後は日本オリンピック委員会(JOC)委員も務めた、とのこと。


今回の一言:
タダ乗りは良くないこと、便乗は経済効果という良いことをもたらす。
野暮は大いに結構、粋だけでは生きていけない。















182「広告は文化か?天野祐吉氏に一言」

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広告は文化か?天野祐吉氏に一言

ここ10日間ぐらいとんでもなく忙しい。
んで、コラムンを書く余裕が無い、忙殺、忙しいは、心を亡くすと書く。
これではいかん!常に心に余裕を、文字を書くことが心の余裕と
どうにかひねり出して書きます。
なんで、すっ飛んだ内容でご了承ください。

先日、天野祐吉氏がCM関係のコラムで(こちらは本物のコラム)
パチンコのCMのコピーで「遊びの文化を創造する」という点にふれ
パチンコは文化?との問いに
「前略・・・もちろんパチンコだって文化である。歌舞伎だって映画だって競輪だって、
ついでに言えばCMだって文化である。
つまり、人間が作り出したものは、ピンからキリまで含めて、みんな文化だといっても良いだろう・・・後略」
私はこの意見に真っ向から反対だ。
天野氏の発言は私にとって本当に同感する論客だが
事CMについて述べているときはまったくその逆。
・・・でもCMに関してのコラムニストと自称しているからこれは困ったことだが・・・

でも、今回の私のCM反文化見解には根拠があるし
天野氏も実は関与している。
遡る事33年、時は1979~80年の事。
前に書いたことがあるが、私は当時、大学三年生前後、
枠を超えて多くの大学を横断した、メディア系サークルのネットワークを作っていて
大学生の立場から、世にメッセージとか見解を発信していた。
当事といえば、雑誌全盛期で、軟派に支持されたポパイなどのガイド誌から、
尖がった大学生に支持されたはB5版の雑誌が続々と創刊され、注目されていた。
「本の雑誌」「噂の真相」、先輩格の「ミュージックマガジン」から派生した「レコードコレクターズ」
そして広告に関しての天野氏が興した「広告批評」。
創刊すぐに、私たちの周りでは話題になり、注目の的だった。
で、俄然、というか唐突に、私たち学生と天野氏の対談を申し込んだ。
敵もさることながら・・・別に敵じゃないか・・・天野氏は我々の申し出に即答でOK、
対談は実施された。まっ、その内容は、それはそれで思い出深い良いものだった。
でだ、
対談が終わって、マドラ(発行していた会社)でなんとなく、そこにいた社員の人と世間話のようになって
話が盛り上がり、よせばよいのに、ここでもまた、広告論が展開された。
後でわかったが、その人物は、女性で、マドラの社長だった。
簡単に書くと、ここで語られたのは「広告は文化か文明か?」という討論だ。
私は、当時、盲目的に広告の世界にあこがれていて「広告は文化だ!」と。
で、女性社長は「広告は文明だ!」と。
最後は本当、ほとんど喧嘩状態で、私からは「てやんでい!わからずやの女社長め!」
対する社長は「青臭い、ガキが何言ってるんだ、顔洗って出直してきやえ!」
ということであったのさ。
その後、音楽と映像の世界に進んで、時には、というか沢山のCMも作った。
で、断言する、「CMは文明だ、社長、あなたは正しかったです、はい」
当事、大学生の間では、広告とかCMとか、それを取り巻く世界が華々しく、かつ文化の香りがしていた。
百貨店が「何とか生活」とか酒屋がよくわからん映像、化粧品やがこれまたわけわからんCM流して
自己満足だけでいきまいていた時代。
学生達といえば、広告研究会と称して、やっていることといえば、研究なんて名目だけで
湘南海岸で卒業生の就職先から資金を得て出店やって騒いでるだけだったり、
わけわからんままに女子大生美人コンテストやっているとか
ほんとう、今思うと、あいつら皆何やってたんでしょうね・・・・
ということで
33年たった今、天野さん、広告が文化などと、
どういう根拠でのコラムなんでしょうか、と聞いてみたくなりました。
私ってしつこい性格なのかも・・・
・・・あのころのあのての雑誌はほとんど無くなった、広告批評も。
本の雑誌はがんばっている、さすが椎名誠!・・・


そのコラムの最後に
「経済大国もいいけれど、あそび心の無い国は、おカネはあっても貧しいよね」と。
これには同感。
これまた前にも書いた幸福度の話にもなるけれど
幸福度一番の国といわれる、デンマークは消費税が25%
90番目といわれる日本は消費税5%、UPを見込んで生活保護費が削られる・・・
ここらでもう一度、文化と文明、幸福と経済
考えてみたくなった。


今回の一言:
やっぱ、今回は忙殺で疲れているのか・・・
いかんいかん、
忙しさは文化を見逃すだ。










171「最近出会った良い言葉:3」

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「最近出会った良い言葉:3」

最近少し偏った内容になっているので
少しパブリックな雰囲気で
久々にこの手の事を書いちゃいます。

【鴻上尚史:作家、演出家】
「『自分が何を幸せと考えるか』
を問いながら、
自分らしい【仕事】を手探りしてほしい。
そして自分に関し
自己の持つイメージと他者の感じるイメージのズレをなるべく無くすことが必用。
それには自己プロデュースが必要、そういう時代になった」

ワン:仕事に関して話している時のコメントなんだけれど
この単語を、生活や人生や色んなものに置き換えてもそうだと思えるんだ。

【松岡正剛:編集者・著述家】
「情報を生きた『知』に。
人間は忘れる生き物だ。
代わって現代人の記憶を助けるのがスマートフォンなどの情報端末。
だが情報を『生きた知』に変えるには、自らつかみとる体験が必要。
・・・中略・・・
もちろん(スマホなどで)圧倒的な量の情報を早く調べられること自体は悪くない。
だが、それは人間の生きた『知』につながるのだろうか。
・・・中略・・・
人間が本来持つドキドキ感や好奇心をくすぐる、
情報や知識は本能を刺激する生々しいもんおとなって初めて、
生きた『知』に形を変える」

ワン:そおなんんだよね、で、ネットで調べた情報って本当に残らないんだよね。
松岡氏は平成21年に、丸善丸の内本店に、
ショップ・イン・ショップという形態で松岡氏プロデュースによる「松丸本舗」を作った。
ここは自身をはじめとする著名人の書斎を再現した本棚などで、
斬新な店舗づくりが随分話題を呼んだよね。
実は私、この成立の経緯に少し関係しているんだ。
友人に丸善の代表者がいて、また別の友人に松岡氏と懇意な人物が居て、
仲を取り持ってご対面した、でその直ぐ後に、この松丸本舗が出来上がったんだ。
これ誇りに思ってます。
http://www.isis.ne.jp/seigowchannel/archives/2009/10/report_42.html

【アイソ・アルバータ・フォン・エッケンシュタイン(オランダ人):帝人グループの専務執行役員】
「私はボランティアの一環として
当社のオランダ拠点があるアーネム市の美術館をスポンサーする企業の集まりの代表を務めている。
美術館の運営方針について話し合ったり、新しい展示のオープニングに参加したり、
美術館は私にとって身近な存在だ」

ワン:企業としての立場がはっきりしていて
かつ、
そこに属する個人の活動の意味が明確になっている。
企業が(ここではメセナ的な事業だが)スポンサードする、
そこに付随する活動に
その企業に属する企業人がボランティアで参加する
私はこのような立場、考え方、好きです。
実は先日「企業ボランティア」をテーマにしたシンポジウムに参加した。
東北震災の後に、多くの企業が大変な活動をして、功績も多く残したことは事実で
いくつかの活動事例の発表も聞いて、それはそれは大活躍されたようだった。
ただここにもう一つ何か加わることがあったら、更に自分としては気持ち良くなるけれど
それは何なんだろうと、考えてみたが、その場では答えは出なかった、
・・・そんな簡単な事じゃないよね・・・。
で、この言葉に一つの答えを見つけた気がした。


【天野祐吉:コラムニスト】
「スマートタウンからスマート飯まで、
近ごろあちこちでスマートという言葉を聞くようになった。
それ自体はいいことで、商品もサービスも、テレビCMも、
ついでに政治かも、どんどんスマートになってほしい。
・・・中略・・・
スマートな商品たちの向こうにスマートな暮らしの形や
スマートな消費者像が見えてくるような、
そんなCMが見たい」

ワン:だから、時代は「それ行けスマート」なんだと思うんだけれどなぁ。


今回の一言:
今朝、洗面所で娘と鉢合わせたので鏡の中の彼女に向かって
「ワイルドだぜ!」って言ったら
「ワイルドだろぉ!」と言い直された。
しょうがないじゃないか、新聞なんかで読んではいるが
TVなんかで実際に言っている姿を見たことが無いんだもの、オジサンは・・・。

コラムン77:最近出合った良い言葉パート2

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コラムン77:最近出合った良い言葉パート2

野村萬斎:
狂言が出来た次代、分からないことがあっても「ウィキペディア」はなかった。
使いに出た太郎冠者は、他人の話をうのみにし品物を取り違える。
無知さが笑いを誘う。翻って、ネット社会にどっぷり漬かる私たち。
人の話に踊らされてていることには変わりない。
張り巡らされた網(ネット)には、
いつ足をすくわれるか分からないのである。

山下達郎:
自分の魂の叫びがいくら強くても、すぐに限界が来るのは冷徹な事実です。
音楽表現を長く続けていくためには、継続的な訓練と学習が必要なのです。
・・・中略・・・
「夢は必ずかなう」と言う言葉が独り歩きしている時代ですが、
僕は「夢はかなわない確立のほうがずっと高い」と思うう人間です。
ですから、懸命に努力し、その結果夢がかなわなかった時にはどうするのか、
それを想定して仕事をすべきではないか。
「夢」は魅力的で力があるけれど、あくまでも結果であって、
夢を最初から暴走させてはいけないのです。

天野祐吉:
編集者には三つの「チ性」が必要だという話を、
山口瞳さんに聞いたことがある。
「知性」と「痴性」と「稚性」の三つだと。・・・中略・・・
ま、本来の知性とは、その三つをバランスよく兼ね備えたものをいうのだが、
CMでいちばん目立つのは、稚性が突出した、それも本来の稚性とは違う
ガキっぽいだけのCM・・・中略・・・
テレビの国会中継なんかを見ていても、聞いていて恥ずかしくなってくるような
ひどい言葉が、まいにちあきもせずに繰り返されている。
この国の「恥性」を、広く天下に広告しているんじゃないかと思う。

ハワード・シュルツ(スターバックス会長):
最も優れた指導者は、
切り離せない二つの特性を持っているものです。
組織がどこに向かうべきかについての圧倒的な自信と、
組織に集う人々を先導する能力です。

ジェフ・ベソス(アマゾン創業者)評:
株式公開資金を物流設備へ投資し、対して
「なぜバーチャルなビジネスの会社が
旧態依然としたリアルの資産に投資するのか」
との酷評がおしよせた。
ITバブル企業の多くは、参入障壁の低いバーチャルな分野に陣取り、
過当競争に疲弊していって崩壊後に姿を消した。
バブル崩壊前に調達した資金をリアルの物流設備に投じて、
過当競争から逃れたアマゾン。
ネット企業としては「逆戻り」ではあったが、
企業戦略としてはむしろオーソドックスな決断だったといえよう。

ピーター・ドラッカー(今更ですが・・・):
マネジメントの5つの基本的な役割は、
目標の設定、組織作り、動機付けのコミュニケーション、
評価測定、部下の育成。


今日の一言:
はい。




プロフィール

ビバップ犬

CS音楽専門チャンネル、ミュージック・エア(スカパーch.271/スカパーe2 ch.326/全国のケーブルTVで放送中)を立ち上げた張本犬。音楽は主にジャズが好きでドラムも叩ける、と自負する、ゴールデンレトリーバー。オヤジ世代の代表として、上質な音楽を紹介します。

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