オリンピック東京招致に関する報道に関して

おかしい。

今回は
メディアの端くれにいる者として、一言書いておきたいと思ったこと。
昨日、日本の公共の放送、
まあ簡単に書くとNHKのニュース関連番組での事。
事の内容は多く放送されているので、大半の方がご存知だと思うのだが一応。
昨日、日本オリンピック委員会(JOC)がローザンヌのIOCに
東京招致に関する資料提出を行った。
日本女子サッカーの代表なども参加して力の入った様子が伝えられた。
解説によると、結果を大きく左右する一因が開催候補地での調査、
要はどの程度の割合でそこの住民が開催を望んでいるかという
割合の高さが鍵になるとのことだ。
前回選考のときは東京の低さが敗因だったので、
今回は是非とも世論、支持率を上げて招致成功に導きたいとの
JOCの心意気が強く伝えられた。
それには、昨年のメダリストたちの銀座パレードなど多くの活動が行われているということも。
また、開催準備金として既に4000億円も確保されていて
開催が決定したら準備金から使途可能な予算へと編入されるという事等詳しく。
そして問題の支持率なのだが、
昨年11月に行われた調査では指示が6割強と前回よりUPはしているが
まだまだ物足りない率であるとも。
ここでだ、
ニュース出演全員(本当に全員)が異口同音に
「是非とも支持率を上げて、招致を成功させて欲しい」と何度も何度もアナウンスしているのです。
おかしい。
・・・ここで誤解の無いように明言しておくが
私は別に「招致反対派」でもなく、「どちらかというと来ても良いかな派」です・・・
さて
JOC関係者など利害関係者が
「キャンペーンなど頑張って支持率を上げ是非とも獲得する!」
と声高に宣言、宣伝することは正しい、正当なことだと思うのだが
公共放送のしかもニュースで、しかも、アナウンサー、キャスターまでもが
堂々とこのようなことを宣伝、宣言、勧誘してよいのだろうか。
昨日の街中での一般人へのインタビューでは
ほとんど賛成者の声しか伝えておらず
反対の声など全くと言ってよいほど無視。
何も偏屈な人の声までも重視しましょう等とは言いませんが、
依然4割弱という多くの人がそれぞれの正論で反対しているのも事実です。
そもそもオリンピックの開催地に関しては
色々な意見があることは事実だし
白熱教室のハーバード大、マイケルサンデル教授の意見を聞くまでも無く
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/harvard.html
招致とは唯一の「正義」ではないということは明解のこと。
それを公共放送の・・・・
おかしい。
「民放」とはわけが違うはずです。
民放はある意味で利害関係者でもあり
堂々と招致賛成、又は反対を明言することは
問題ではないと考えます。
公共放送がこの場で本来取らなければならない姿勢とは
招致における功罪、効果、被害、効用、を冷静に分析し伝えることであり
扇動する事ではないと。
これでは、極端な話、
ミサイル飛ばしておいて宇宙を制覇したと大言吐いている
どこかの国家放送に近くなっちゃうじゃないかスミダ!
世の中が右傾してきたといわれる昨今
公共放送こそ是非ともその立場とあり方を見つめなおしていって欲しいと思うしだいであります。
・・・なんだか、朝日新聞の読者の投稿みたいになっちゃった・・・。

PS
調査は覆面で行われるとの事。
私的企業のガイド誌のミシュランと同じような覆面調査でよいのかなぁ?
オリンピックに関しては公正性を公表して行って欲しいよね。

PSS
そうそう、サンデル教授で思い出したので情報。
NHK・BS1スペシャル 
マイケル・サンデルの白熱教室  「15歳の君たちと理想の学校を考える」
1月18日(金)午後11:00~午前0:49
http://www.nhk.or.jp/bs/special/index.html

それと
先日書いた
マサチューセッツ工科大学(MIT)
ウォルター・ルーウィン教授の「MTI白熱教室」
の放送が新年5日から始まっている
Eテレ土曜16時~16時59分
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/mit.html

・・・・実はサンデル教授の授業に関しては
まだまだ日本では知る人が少ない頃から
素晴らしさを騒いでいた一人としての自負があります、
えっへん(自慢がな)・・・。

今回の一言:
で、気がつくと
NHKの番組紹介、推薦している私ではないですか。

http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/mit/movie_mit.html